クラウド環境と会社(オフィス)のLAN環境をL2(レイヤー2レベル)で延伸、接続する方法
クラウド環境と会社(オフィス)のLAN環境をL2(レイヤー2レベル)で延伸、接続する方法
クラウド環境と会社のLAN環境をL2でクラウド環境に延伸する方法についてメリットとデメリット、構築方法を書きます。
L2レベルで延伸するとは
まず、クラウド環境と会社のオンプレミス環境をL2(レイヤー2)で延伸することで、シームレスなネットワーク体験が可能になります。その一方で、いくつかのデメリットもあります。
L2延伸のメリット
先ずはメリットです。
1.既存ネットワーク構成の継続利用
IPアドレスやサブネットを再設定する必要がなく、オンプレミスの既存ネットワーク設定をクラウドにも適用できます。
これにより、クラウドへの移行や拡張がシンプルで、ネットワーク構成の統一が維持されます。
2.アプリケーションのシームレスな動作
L2延伸により、クラウド上のアプリケーションがオンプレミスと同じサブネット上に配置されるため、アプリケーションの変更や再構築の必要が少なく、社内システムとクラウド間でのデータ連携がスムーズに行えます。
3.クラウドとオンプレミス間のリアルタイム通信
L2接続では同じL2ドメインを共有するため、オンプレミスとクラウド間でリアルタイムのデータ共有やトラフィック転送が可能になり、迅速な意思決定を支援します。
4.BCP(事業継続計画)の強化
災害時などにオンプレミス環境が停止しても、クラウド環境にシームレスに切り替えて業務を継続することが容易になり、ビジネスの継続性が向上します。
5.開発環境の統一とテストの簡素化
クラウドとオンプレミス間で同一のネットワーク環境を維持することで、開発・テスト環境を統一でき、設定や動作の再現性が向上します。
クラウド上でのテスト結果をオンプレミスに展開する際のトラブルも軽減できます。
L2延伸のデメリット
次にデメリットです
1.複雑なネットワーク管理
L2延伸により、トラフィックがクラウドとオンプレミス間で常に流れるため、ネットワーク全体の構成が複雑化し、管理負担が増えます。特にトラフィック管理や監視、ループ防止策などが重要になります。
2.遅延やパフォーマンスの影響
L2接続で遠距離を跨ぐと、どうしても遅延が発生しやすくなり、オンプレミスとクラウド間でリアルタイムなパフォーマンスが求められるアプリケーションでは、レスポンスが遅れる可能性があります。
3.セキュリティリスクの増加
L2延伸により、クラウドとオンプレミスが一体化するため、一方のネットワークで発生したセキュリティリスクがもう一方にも影響する可能性があります。
特に、適切なセキュリティポリシーが欠如している場合は、リスクが顕著になります。
4.コスト増加
L2延伸には、専用のネットワーク機器や接続サービス(例えば、DirectConnect、ExpressRouteなど)が必要で、導入や維持にかかるコストが増加します。
また、ネットワークの監視や管理を行うためのリソースも必要です。
5.クラウド依存度の増加
クラウド環境に多くのリソースやアプリケーションが依存することで、クラウドプロバイダに障害が発生した際、全体の業務が停止するリスクが高まります。
クラウド環境のダウンタイムに備えた冗長化が必要です。
メリット、デメリットのまとめ
L2延伸は、オンプレミスとクラウドをシームレスに接続し、柔軟性や利便性を向上させるための強力な手段ですが、ネットワーク管理やセキュリティ、コスト面での課題もあります。
L2延伸を構築、利用する方法
クラウド環境とオンプレミス環境をL2(レイヤー2)で延伸するには、複数の方法や技術があります。
L2接続は、同一のネットワークセグメントを共有することで、クラウド上でもオンプレミスのネットワークと同様に、IPアドレスやサブネットを維持してシームレスに通信することを可能にします。
大きく3つの方法があります
1;クラウドプロバイダが提供する専門サービスを利用する
2;仮想ネットワークアプライアンス(機器)を利用する
3;フォースネット株式会社が提供するL2延伸BOXを利用する
L2延伸の設定や構築の仕方は
L2延伸の環境は自社で構築するか、外部の専門サービスを利用する方法があります。
各クラウドベンダーを専門に対応する会社もありますが、自社に技術者がいれば対応する事も可能です。
L2延伸を構築した場合は、構築後に運用メンテナンスが必要です。
設定には高度な技術力が必要ですし、会社の全体のネットワーク・インフラを設計、構築するノウハウや経験も必要です。
また、セキュリティ対策等の複合的な視点も求められるので、外部の専門サービスを利用する事をお勧めします。
1)クラウドプロバイダが提供するサービスを利用する
Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)など、多くのクラウドプロバイダが、オンプレミスとクラウド間をL2で接続するオプションを提供しています。
例えば、AWSの「Direct Connect + VLAN」や「Azure ExpressRoute +VLAN」など、物理専用線や専用VPNトンネルを使用して、オンプ<レミスのVLANとクラウドのサブネットを同一のL2ドメイン内に配置できます。
この方法では、クラウドプロバイダの設備とオンプレミスのネットワーク設備を活用して安定した接続が実現できます。
しかしながら、初期構築から運用面のコスト費用が高額になる恐れがあります。
費用対効果を考慮する事が重要です。
2)仮想ネットワークアプライアンスの利用する
Fortinet、Cisco、Palo Alto Networksなどの仮想ネットワークアプライアンスをクラウドに導入し、オンプレミス側の対応機器と組み合わせてL2接続を実現する方法です。
アプライアンス間で専用のL2トンネルを構築することで、両環境をL2で延伸し、セキュリティポリシーを一貫して適用できます。
アプライアンス機器の導入費用は高く、また構築設定の作業費、その後の機器の保守費や運用サポート費用なども必要になります。
3)L2延伸サービスを利用する(フォースネット株式会社が提供)
フォースネット株式会社が提供するL2延伸サービスは、オフィス側に、専用のL2延伸BOX機器を設置する事で完了します。
クラウド環境側は特定のクラウド環境(IDCF等)に限定していますが、比較的、安価に短期間で効率的にL2延伸で接続する環境を構築できます。
初期費用は、他の方法と比べてもかなりコスト面でメリットがあります。
L2延伸の利用後にも遠隔監視サービスもオプションで提供しています。
24365で何か障害あった際にアラートが飛ぶ仕組みがありますので、安心です。
先ずはお問い合わせください。
詳しくはこちらです。
L2延伸BOXサービス
L2延伸について、まとめ
これらの方法で、企業はクラウドとオンプレミスを一つのネットワークセグメントとして扱い、シームレスなリソースアクセスを実現できます。
それぞれに導入コストや運用負荷、拡張性などの特性が異なるため、環境や要件に合った方法を選択することが重要です。
今すぐ、既存の環境を変更せず、L2延伸サービスを利用したい
フォースネット株式会社が提供する「L2延伸サービス」をお勧めします。
既存のオフィスのインターネット接続やインフラ環境に設定変更をする必要がなくリモート接続でVPNを利用する事が可能です。
L2延伸BOXサービス